公認心理師

【相対的貧困?】公認心理師の平均年収と低い理由

マル
マル
社会福祉士で保育士の施設管理者、マルです。

2017年に心理系初の国家資格として「公認心理師」という資格ができました。

幅広い分野で活躍する専門性が高い仕事ですが、公認心理師の平均的な年収は低い水準です。

この記事では、公認心理師の平均的な年収と年収が低い理由について解説します。

解説している私自身、公認心理師試験を勉強中の身です。年収が低くても僕が公認心理師を目指している理由も合わせてご紹介できたらいいなと思います。

【相対的貧困?】公認心理師の平均年収と低い理由

公認心理師の平均的な年収はどれくらい?

公認心理師の平均的な年収を知るために、日本臨床心理士会の「臨床心理士の動向調査」(2017年)と東京都で実際に出ている公認心理師の求人票を参考にしてみたいと思います。

公認心理師は、2017年にできたばかりの資格であるため、職務が似ている臨床心理士のデータが公認心理師の年収を推定するのに一番役に立つと思われます。

「臨床心理士の動向調査」から推計される公認心理師の年収

「臨床心理士の動向および意識調査」によると、臨床心理士の年収は下の通りでした。

  100万円未満:5.7%
 100〜200万:8.8%
 200〜300万:16.5%
 300〜400万:19.0%
 400〜500万:15.5%
 500〜600万:9.3%
 600〜700万:5.8%
 700〜800万:4.1%
900〜1000万:1.8%
  1000万以上:3.3%
      無回答:7.6%

ここからわかることは、フルタイムで働いている可能性が高い200万〜500万の層が50%以上いることです。100万未満と100〜200万円の層は、社会保険料や扶養の関係でパートタイムとして働いている人たちも多くいるので考慮していません。

500万円以上の人たちは臨床心理士全体の25%以下だったので、「公認心理師で500万以上を稼ぐには上位4分の1の社会的地位が必要」と言い換えることができるかもしれません。

実際の求人票から見る「公認心理師の年収」

「公認心理師 求人 東京」で調べて正社員として出てきた求人を上から順番に3つ見ていくと、①月給26万〜 ②月給21.5万〜 ③月給22万〜となりました。

手当や賞与によって年収は大きく変わってきますが、いずれにしても200万〜500万の層の中には収まりそうです。(2021年9月6日現在)

ちなみに、北海道でも同様の条件で調べてみましたが、意外にも平均値は東京都変わりませんでした。

どうして公認心理師の年収が低いのか?

公認心理師の給与が、臨床心理士の参考データからも、実際の求人からも決して高くない水準にあることを見ていきました。

それでは、なぜ公認心理師をはじめとする心理職の給与は低いのでしょうか?

答えは、「心理職は長らく臨床心理士という民間資格しかなく、報酬が税金から賄われているから」だと考えられます。

心理職は長らく民間資格しかなかった

心理職の資格は、これまで臨床心理士という民間資格しかありませんでした。

資格が民間か国家かで、何が変わるかというと①職務が法律に明記されること ②社会的地位の2つが挙げられます。

職務が法律に明記されないと、法的に心理職の立場が明らかにされず、ロビー活動の際に存在感が薄くなるという大きいデメリットがあります。法律に乗っていなような職業なので、予算を決める政治家から重要視されにくいです。

ロビー活動(ロビーかつどう、lobbying)とは、特定の主張を有する個人または団体が政府の政策に影響を及ぼすことを目的として行う私的な政治活動のこと。

また、社会的にも民間資格であるということは丁重に扱われにくくなる理由になります。臨床心理士は、専門性を保持するために5年毎の更新制度など厳しい条件を設けてきましたが、「民間資格」というだけで国家資格と比べて信用度が落ちてしまうのは避けられません。

公認心理師の報酬は税金から賄われている

これは心理職に限らないことですが、医療福祉分野では報酬が税金から支払われます。

医師は政治的な力が強く、人の生命に直接的な影響があるため、財源が税金でも高い報酬が与えられています。しかし、そのほかの多くの医療福祉分野では医師ほど高い報酬は支払われません。

心理職も福祉職も、間違いなく人が文化的な営みをする上で必要な資格ではありますが、全員に医師のような報酬を与えてしまうと今の税金ではとても賄うことができないからです。

まとめ

公認心理師の年収

・臨床心理士の参考データや実際の求人から、公認心理師の年収は200〜500万の間に集中していることがわかった。

・公認心理師の年収が低い理由は、「心理職が長い間、民間資格しかなかったこと」と「報酬が税金から賄われていること」の2つが考えられる。